「羊」のいる世界でもいいんじゃない? [本!]
社会人となってもうすぐ1年がたとうとしています。
それなのにいまだにうまく(要領よく)仕事をこなすことができません。
仕事の絶対量が多いのは確かなはず。
でも、仕事量がキャパシティ越えをしていることを訴えても、「それは計画性がないから」「ゴールを見定めて動く力がないから」、つまりは私の能力不足、で簡単に片付けられてしまうのです。
ま、能力不足なのは認めるさ。自分に自信なんてこれっぽっちもないさ。
でも、能力不足がどうこうという前に、今の労働時間じゃ、生命力が枯渇しちまうよ?
私がつとめている会社は、9時始業で、6時が定時になっていますが、毎日毎日、夜11時ぐらいまで会社にいます。毎日毎日午前様です。
初めてはいった会社がこんなだからこれが「異常」だと気づくのに時間がかかった。気づくのが遅すぎますね。
でも、こういう殺人的に忙しい状態はきらいではないのです。
いや、今日は仕事のグチを書こうと思っていたのではなかった!!
「羊をめぐる冒険」を読んだので、その感想を書こうと思っていたのです。
私は、村上春樹に詳しいわけではないし、解説書を読んだこともないので「羊」がなんのことかはまったくわからないけど、わたしなりに「羊」っていうのは、世の中を秩序立てている何か、のことをさすのかな、と思う。それは人が手出しをできる領域のモノではないし、必ずしも弱きを助けてくれるモノでもない。私たちを支配している、ただそこにある何か、なのかなと。
ラストで結局「羊」はこの世からいなくなってしまったのだけれど、わたしはそんな「羊」が支配する世の中もそれほど悪くはないんじゃないかと思う。そりゃ、どっかの閉鎖的国家みたいに、人から生きる気力をも抜き取ってしまうような存在による支配は認められないけど、人間はなんとかしてたくましく生きていくものだし、どんな状況であっても生自分たちのいる場所で自分たちなりに楽しく生きていけるんじゃないかな。
それに、今の世の中、筋の通った価値観ってもんが無くなってしまっていて、「これが正しい」と自信をもっていえる状況ではなくなってしまっているから、何か絶対的な価値観を示す指標みたいなものがあると楽なんだけどなぁ。そうすれば将来子供を育てるときに便利でしょ?「お母さん、どうして○○はやっちゃいけないの?」って子供からきかれて、自分なりの答えが出てこなくても「そりゃ、『羊』が決めたことだから」って言えば、はい、それで終わり。ね、楽ちんです。
・・・・・思想を統一されることの恐ろしさを身をもってしっているわけではないから、こういう事が言えるのかしら。
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